

![]()
| 『ラスコーリニコフ、さつきさんと出会う。』 |
| さつきさんと知り合いになったのは、偶然という言葉で片付けてしまえばそれまでなのですが、何かしら偶然ではなく必然であった様な気がします。初めてさつきさんと出会った時に、ユングがいうところの『シンクロニシティー』(因縁めいた、不可思議な偶然、出会いの事)とは、『こういう出会いの事をいうのかもしれない』と、思ったのを、今でもよく憶えています。 さつきさんは、私より少し若く、少し痩身ですらりとした体形に、端整な顔立ち、そしてなにより一番最初に、ふと感じた最大の特徴は、その所在なさげな目でした。私は正直に告白すると、その所在なさげな目に、一番親近感を覚えました。そして何故か私は『ああ、この人とはきっと友達になれる』と強く思いました。 |
![]()
| 『年下のさつきさんは既婚者、年上のラスコーリニコフは未婚者。』 |
| さつきさんは私より若いので、てっきり未婚者かと思っていました。今にして思えば私より若いというだけで、未婚者だと思ったのは、恥ずかしい限りです。ですから少なからず、結婚してご主人がいらっしゃる、という事実に驚きました。しかも2歳になる一人息子さんまでいる、という事実にますます驚かされました。 先入観で、物事を考えてしまう事に、反省の念を抱いたのですが、と同時に、年下=未婚者と、安直に判断してしまえる年齢ではなくなったのだと、つくづく感じました。考えてみれば私は26歳なので、私自身は結婚など、まるで現実味が無いので、あまりにも漠然とした事しか想像出来ませんが、26歳ならば結婚適齢期と言っても差し支えないように思いますし、年齢が何歳であろうと結婚できる条件が揃えば、早くとも遅くとも関係ないように思います。 しかしながら、さつきさんは結婚した事により、誠に残念ながらDVの被害者となってしまいました。家庭内不和とか家庭内暴力など、新聞、書籍、テレビの中だけだと思っていた、私は、さつきさんの話しに大いに驚く事になるのです・・・。 |
![]()
| 『さつきさんの話しに、ラスコーリニコフ、絶句する・・・。』 |
| 最初に、さつきさんのDVの話しを聞いた時、正直『はあ!?最愛の妻子に暴力を振るうなんて、どういう精神の構造になっているんだろう???』とまず疑問に思いました。私は男性が女性に対して行われる不当な暴力は、それまでアルコール中毒の人や、その筋の怖い人たちが、行う特殊な暴力だと捉えていた私自身の認識の違いに驚愕し、そして我が身の愚かさを憤りました。 さつきさんの述懐によると、DVの被害にあわれている、その最たる当時、ご主人が帰宅されて、ふとご主人の方に視線を向けると、『今日は、きっと殴られる』という雰囲気まで、感じ取れたそうです。 具体的には、髪の毛を掴まれ引っ張りまわされる、平手(グーだったらと考えると背筋が寒くなります)で殴られる、身近にある物を投げつけられる、といったような事が、週に何回か定期的に行われたのだそうです。しかも、ご主人の攻撃の対象は、さつきさんのみならず愛息子さんにまで向けられ、さつきさんに対して行われた暴力ほどではないにしても、虐待と言われても仕方ない事を日常的に繰り返していたそうです。 悪魔も落涙するような、この振る舞いに、私は唖然とし、憤りました。『そのような凶行が許されていいわけが無い。』と強く思うと同時に、私は私自身のあまりの無力さに、顎が胸につかんばかりに、うなだれて憔悴しきった顔を呈するばかりでした・・・。 |
![]()
| 『ラスコーリニコフ、微力ながらさつきさんの為に奮起する事を決心する』 |
| 私は偽善といわれようとも、無力であると言われ様とも、そのような諦めた意見に耳を貸すのは一切止める事にしました。かつての私なら鬱状態を呈して、無力な自分に、うちひしがられるだけでしたが、ここで諦めたら、以前の私となんら変りはありません。少しでもさつきさんの為に、或いは世のDV被害者の方達の為に、奮起する事を決心しました。当HPはそのような意図の下、制作されています。 この様な問題は、個人で解決できる段階では既になくなっています。ましてや、カウンセラーでもなく、弁護士でもない第3者の私の介入できる余地は全く無いという事も、十分理解しています。しかし個人的にさつきさんの話を聞くこともできるし、このようにHPを制作する事も出来ます。微力ではあるけれど、さつきさんが少しでも元気になってくれるなら、それだけで意義のある行動だと信じています。 さつきさんが時折みせる、微笑とも苦笑とも形容しがたい、あの独特な笑みを私に見せてくれるだけで、私は頑張ろうと思えるのです・・・。 |
![]()
| 『ラスコーリニコフ、さつきさんを語る。』 |
| さつきさんは、私と同じ病気を抱えています。私の場合は私自身の内的要因によるものですが、さつきさんもそういう内的要因を仮に抱えていたとしても、引き金となったのはご主人のDVという外的要因である事は、間違いなさそうです。誰も彼女を責める事は出来ないと確信しています。 しかし、さつきさんは、その繊細な心の持ち主であるが故に、『主人が行う暴力は、私が至らないからなのでは?』とか『グーで殴らない分優しい』とか『殴られても、謝ってくれる』というような事を、時折吐露します。私は努めて穏やかに、いかなる理由があろうとも、ご主人の行き過ぎた行為である事を非難し、さつきさんが悪いのではない、と言う趣旨のことを述べるのですが、さつきさんは頭では理解しているつもりなのだそうですが、やはり、少なからず『私にも悪い所はあった』と考えてしまうそうです。 私は、さつきさんがこの様に考えるのは、よく理解できます。それが『鬱』という病気なのです。ましてや私と違い、私のように、なるべくしてなったのでなく、さつきさんは、『鬱』という病気にされてしまった人なのです。育児に追われ、ただでさえ大変な時期に、DVの被害者となる憂き目にあった人を、どうして責められるでしょう。 しかし、さつきさんは言います。『主人がいなかったら、この子もいなかった』と・・・。思わず落涙しそうなこの科白・・・。私は深く、さつきさんの人柄を偲ばずにはいられません。さつきさんは、そういう人なのです。自らを傷つけかねない、繊細で優しい心の持ち主なんだなあ、と私は深く想像するのです・・・。 |
![]()
| 『最近のラスコーリニコフと、さつきさん』 |
| さつきさんは、最近風邪を引かれたようで、あまり元気そうではありません。息子さんも風邪に罹り、大変そうです。 さつきさんの私生活に触れる事は出来ませんが、時折メールなどで近況を聞く事が出来ます。たまに電話で話す事もあるのですが、声に力がない時もあって、なんとなく様子が窺い知れます。 私の方は、ふらーっと、そこそこ元気に生きてます。 なんとか力になれるようなことはないかなあ???と、いつも思ってます。 2000年12月12日 23:49:42 |